サルバドール・ダリ作 「Illumined Pleasures」
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シュルレアリスムの代表的な画家、サルバドール・ダリの25歳の時の作品です。
絵画作品として観ると、画面はゴチャゴチャしていて煩雑な印象で、色々な技法や描写を試みて1つの作品にしているのが分かります。
思春期にダリが好きだった絵を描く人なら一度は真似してこんな絵描いたこと有るのでは無いでしょうか…
私も有ります。
ピカソやドランに影響された懐疑古典主義的な技法の作品をこの絵を描く直前まで描いていましたので、今後量産されるシュルレアリスム的な絵画の習作的なものだったのかもしれません。
そしてこの作品を描いた二年後に、「記憶の固執」という代表作を生み出します。
絵画作品としては、こちらの方が遥かに洗練されてますし、完成度は高いですが、前者の方がダリの思考法や試行錯誤が観れて楽しい絵なんですよね。
ダリは1989年まで生きていたので晩年まで大量の作品を生み出しています。
突飛な言動とあの独特のルックス
彼の人生そのものが、ダリの芸術だとも言えるのかもしれません。
ダリの画家としてのピークはやはり20代から30代前半くらいだと私は思います。
20年後に自作のこの絵画をモチーフにしたこんな絵画を描いたりしてるくらいですから
本人的にも独創性のピークはこの辺だったと認識していたのかもしれません。
記憶の固執にみられる様な落ち着いた独創性は後期の絵画には皆無でして
突飛な見た目や技法やモチーフで誤魔化してる感が否めません。
それでも、売れた時の画風を一生続けて同じ様な絵を量産し続ける多くの日本人画家よりはマシだと思いますけどね。
自分の娘だかの肖像画だけ延々描き続けて食ってる気持ち悪い画家とか結構居るんですよね…
そういう点では、死ぬまで創意工夫を続けたダリは素晴らしい画家だったと言えます。
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